試験概要・勉強法

【憲法・刑法】司法書士試験 科目別勉強法【択一式】

今回の科目別勉強法は、憲法と刑法についてです。

管理人
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憲法・刑法は、司法書士試験の11科目のうち、多くの予備校や独学テキストでは最後に学ぶ科目ですね。憲法・刑法の学習が終われば全11科目マスターです!

憲法について

憲法の出題数と得点目安

憲法は、午前の部の択一式試験で、合計3問出題されます。午前科目は、民法20問、会社法/商法9問、憲法3問、刑法3問という出題構成になっています。例年、憲法は午前の部の第1問から第3問で出題されます。

管理人
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司法書士試験で、順番的に一番始めに出題されるのが憲法です。

年度によって難易度が異なるため一概には言えませんが、憲法では全3問中2問以上の得点を目指したいところです。

管理人
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憲法で得点するには、普段の学習で理解をしておくことが大前提ですが、憲法の問題は文章題が出題されることもあり、前提知識を知らなくても現場で時間をかければ国語力の問題として正解できる可能性があります。最後まで諦めずに解くことが憲法で得点する秘訣です。

憲法の出題範囲と出題傾向

憲法は全部で103条あり、大きく「①憲法総論」「②基本的人権」「③統治機構」に分かれます。

「①憲法総論」では、立憲主義や日本国憲法史、国民主権や天皇制、平和主義等について学びます。「②基本的人権」では、法の下の平等や精神的自由権、経済的自由権、人身の自由、国務請求権と参政権、社会権等について学びます。「③統治機構」では、国会・内閣・裁判所、財政、地方自治、憲法保障について学びます。

管理人
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統治機構は国会が41条~、内閣が65条~、裁判所が76条~始まるので、「よい婿になろう(41 65に76う)」という語呂合わせがあります^^;。豆知識です。

直近の司法書士試験では、以下の内容が出題されました。( )内は出題形式です。

令和3年度

  • 第1問 思想・良心の自由又は信教の自由(組み合せ問題)
  • 第2問 経済的自由(組み合わせ問題)
  • 第3問 三権分立等(組み合わせ問題)

令和2年度

  • 第1問 表現の自由(組み合せ問題)
  • 第2問 法定の手続の保障等(組み合わせ問題)
  • 第3問 司法権(組み合わせ問題)

平成31年度(令和元年度)

  • 第1問 外国人の人権(組み合せ問題)
  • 第2問 立法(組み合わせ問題)
  • 第3問 独立行政委員会(組み合わせ問題)

平成30年度

  • 第1問 プライバシー権(組み合せ問題)
  • 第2問 法の下の平等(組み合わせ問題)
  • 第3問 条例制定権(文章題/語句選択形式・組み合わせ問題)

平成29年度

  • 第1問 職業選択の自由に対する規制の合憲性判断(文章題/語句選択形式・組み合わせ問題)
  • 第2問 財政(組み合わせ問題)
  • 第3問 条約(組み合わせ問題)

平成28年度

  • 第1問 取材の自由(組み合せ問題)
  • 第2問 主権の概念(組み合わせ問題)
  • 第3問 司法権(組み合わせ問題)

平成27年度

  • 第1問 精神的自由(組み合せ問題)
  • 第2問 内閣(組み合わせ問題)
  • 第3問 地方自治(文章題/語句選択形式・組み合わせ問題)

平成26年度

  • 第1問 検閲(組み合せ問題)
  • 第2問 国会(単純正誤問題)
  • 第3問 司法権(組み合せ問題)

憲法は、基本的には組み合わせ問題が出題されますが、3問中1問は文章題が出題されることがあります。文章題では、語句の穴埋め形式の問題が出題されることが多いです。

基本的人権と統治機構の分野から出題されることが多いですが、平成28年には「主権の概念」といった総論分野からも出題されています。

管理人
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それぞれの分野で、2年連続して同じテーマが出題される可能性は低いです。例えば統治機構では、(H26)国会・司法権 → (H27)内閣・地方自治 → (H28)司法権 → (H29)財政・条約 → (H30)条例制定権→(H31)立法・独立行政委員会→ (R2)司法権→ (R3)三権分立等といった順で出題されています。

憲法の試験までの勉強法

基本的人権は判例、統治機構は条文

憲法は、主に「基本的人権」と「統治機構」から出題されます。基本的人権は判例を基にした出題が多く、統治機構は条文知識を問う出題が多いです。

基本的人権についてはテキストでしっかりと判例の「争点」「結論」「判旨」を押さえていきましょう。統治機構については、条文を繰り返し読み込み、規定されている内容を、数値まで細かく暗記する必要があります。

管理人
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憲法で得点するには、条文を覚えることが大切です。基本的人権は判例重視の勉強をおすすめしますが、憲法は条文数が103条と少ないので、条文を素読する等して基本的人権の分野の条文も押さえておくと良いと思います。

過去問よりも、テキスト・条文を重視

憲法は平成15年度の司法書士試験から導入された試験科目です。出題数は毎年3問なので、過去問の蓄積が他の科目に比べて少ない科目になります。

また、憲法は過去問で未出のテーマでも、今後出題される可能性のあるテーマが沢山あります。憲法の出題範囲は、憲法の条文に関する全範囲になるので、過去問で憲法を学習するよりは、テキストで満遍なく全テーマを押さえておく学習をおすすめします。

また、先に述べましたが、統治機構は条文の暗記が大事になります。条文を覚えていれば正解できる問題もあるので、統治機構の分野はしっかりと条文を押させておきましょう。

管理人
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憲法はテキストと条文での勉強をおすすめしますが、他の科目と違って文章題が出題されることもあるので、出題形式に慣れるためにも過去問も解いておきましょうね。

刑法について

刑法の出題数と得点目安

刑法は、午前の部の択一式試験で、合計3問出題されます。例年、刑法は午前の部の第24問から第26問で出題されます。

年度によって難易度が異なるため一概には言えませんが、憲法では全3問中2問以上の得点を目指したいところです。

管理人
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理想としては、憲法・刑法全6問中5問以上の得点を目指したいです。

刑法の出題範囲と出題傾向

刑法は、大きく「①総論」「②各論」に分かれます。

「①総論」では、構成要件、違法性、責任、未遂、共犯、罪数・刑罰といった、刑法共通のルールについて学びます。「②各論」では、①個人法益に対する罪、②社会法益に対する罪、③国家法益に対する罪について学びます。

①個人法益に対する罪の内容
  • 生命・身体に対する罪(罪殺人罪、障害罪、等)
  • 自由及び私生活の平穏に対する罪(逮捕・監禁罪、脅迫罪、等)
  • 名誉・信用に対する罪(名誉棄損罪、信用棄損罪、等)
  • 財産に対する罪(窃盗罪、強盗罪、等)
②社会法益に対する罪
  • 公衆の安全に対する罪(騒乱罪、放火罪、等)
  • 偽造の罪(通貨偽造罪、有価証券偽造罪、等)
  • 風俗秩序に対する罪(わいせつ罪、賭博罪、等)
③国家法益に対する罪
  • 公務の執行を妨害する罪(公務執行妨害罪、逃走罪、等)

直近の司法書士試験では、以下の内容が出題されました。( )内は出題形式です。

令和3年度

  • 第24問 故意(組み合せ問題)
  • 第25問 強盗罪(組み合わせ問題)
  • 第26問 盗品等に関する罪(組み合わせ問題)

令和2年度

  • 第24問 責任(組み合せ問題)
  • 第25問 未遂(組み合わせ問題)
  • 第26問 詐欺罪(組み合わせ問題)

平成31年度(令和元年度)

  • 第24問 共同正犯(組み合せ問題)
  • 第25問 放火罪(組み合わせ問題)
  • 第26問 名誉毀損罪(組み合わせ問題)

平成30年度

  • 第24問 文書偽造の罪(組み合せ問題)
  • 第25問 自首(組み合わせ問題)
  • 第26問 人の生命・身体に対する罪(組み合わせ問題)

平成29年度

  • 第24問 住居侵入罪等(組み合せ問題)
  • 第25問 正当防衛(組み合わせ問題)
  • 第26問 横領罪等(組み合わせ問題)

平成28年度

  • 第24問 間接正犯(組み合せ問題)
  • 第25問 窃盗罪(組み合わせ問題)
  • 第26問 国家的法益に対する罪(組み合わせ問題)

平成27年度

  • 第24問 故意(組み合せ問題)
  • 第25問 中止未遂(組み合わせ問題)
  • 第26問 強盗罪(組み合わせ問題)

平成26年度

  • 第24問 共犯(組み合せ問題)
  • 第25問 罪数(組み合わせ問題)
  • 第26問 詐欺罪(組み合わせ問題)

直近の刑法の問題は、全て組み合わせ問題で出題されています。

管理人
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各論では、財産に対する罪が多く出題されていますが、平成30年では財産に対する罪は出題されず、社会的法益に対する罪・人の生命・身体に対する罪の分野から出題されました。

刑法の試験までの勉強法

過去問重視の学習

刑法は、過去問の内容が形式を変えて繰り返し出題されています。刑法で得点するカギは過去問をマスターすることです。

刑法は3問しか出題されませんが、憲法と違って過去問の蓄積があるので、平成・令和の過去問を解くだけで合格するのに必要な内容を習得できます。刑法は過去問を繰り返し解くことで、高得点を狙える科目です。平成・令和で出題された過去問の内容は確実に正解できるようにしておくと良いと思います。

管理人
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刑法は全11科目のうちで最後に学習する科目なので、刑法に手が回らないままで本試験を迎えてしまう受験生も一定数いるようですが、刑法は過去問を解いておくと得点できる科目なので、刑法の学習時間を確保できるように計画をしっかり立てておきましょう。

各論は財産に対する罪の範囲を優先的に

刑法は全範囲から出題されるので、刑法の内容は一通り全て学習する必要があります。しかし、実際問題、主要科目の学習や記述式対策等で刑法の学習に多くの時間がとれない方もいらっしゃると思います。

そういった場合は、各論の分野では、まずは出題可能性の高い「財産に対する罪」を優先的に学習することをおすすめします。「財産に対する罪」をマスターしておけば、残りの範囲は直前期に過去問で出題された範囲の内容を、暗記で対応することも可能です。

管理人
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基本的には暗記に頼った学習はおすすめしませんが、学習時間との兼ね合いで、暗記で対応可能な範囲は暗記すると割り切って学習するのも、一つの戦略として有効だと思います。

憲法・刑法の勉強法を紹介している予備校の参考ページ

ここまで、私の考える司法書士試験における憲法と刑法の勉強法をご紹介しました。

各司法書士試験予備校のサイトでも、憲法・刑法に関する勉強法を紹介しているページがありましたので、いくつかご紹介します。参考にしてみてくださいね。

 

資格の学校TAC/Wセミナー:「【司法書士】試験科目の内容を知ろう!【憲法編】」「【司法書士】試験科目の内容を知ろう!【刑法編】

アガルートアカデミー:「【司法書士試験】憲法の勉強法」「【司法書士試験】刑法の勉強法

スタディング:「司法書士試験「マイナー科目」の攻略法

資格スクエア:「 憲法は思想や学説にも注目」「学問的興味を持たないように。

 

管理人
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今回は、憲法と刑法の勉強法についてご紹介しました。司法書士試験勉強の参考になりましたら幸いです。