『司法書士試験「合格ゾーン」択一式過去問題集(以下、『合格ゾーン』)』を実際に使ってみた感想を書きます。
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『合格ゾーン』ってどんな過去問題集?
『合格ゾーン』は、「LEC東京リーガルマインド」から発売されている司法書士受験用の過去問題集です。
LECといえば、資格試験の大手予備校。司法書士試験や予備試験・司法試験の合格者を毎年多く輩出していて、法律系資格試験の合格を目指す受験生に評判の予備校です。
1990年に第1版が発売され、今日まで受験生に支持されているロングセラーの過去問題集になっています。
『合格ゾーン』の特徴
問題の収録数がダントツに多い
『合格ゾーン』は、他の予備校や出版社から発売されている過去問題集と比較して、問題の収録数がダントツに多いです。
例えば、2022年向けの民法の『合格ゾーン』には、平成元年から令和3年までの33年分の過去問が収録されています。
本試験同様の5肢選択式で掲載
過去問題集の掲載形式には、本試験と同様に、1ページに1問5肢が掲載されている「5肢択一式」と、問題を肢レベルで分解し、テーマごとに肢レベルで掲載されている「肢別問題集」があります。
『合格ゾーン』は、前者の「5肢択一式」の問題集です。
5肢択一式の問題集は、本試験同様に問題が掲載されているので、本試験のシミュレーションをしながら問題を解いていくことができます。例えば組合せ問題では、アとイの肢が判断できたら、解答肢を見てアとイの組み合わせがあれば、それが答えなので、問題を解くスピードを早める訓練をしたり、解法を習得したりすることができます。
また、1つのテーマに対して様々な角度から5肢を検討して解答するので、一つの論点を深く学ぶことができます。
テーマ別に収録
『合格ゾーン』は、例えば民法では代理なら代理、時効なら時効の問題だけを、テーマ別に順番に収録しています。
初学者の方であれば、代理を習ったら、代理の範囲だけの問題を解くことが出来ますし、中上級者の方であれば、復習したいテーマだけをまとめて解くことが出来ます。
重要度ランクを表示
『合格ゾーン』は、その問題の重要度を、過去の出題頻度に基づき「A、B、C」の3段階でランク表示しています。また、その問題が「知識型」か「推論型」か、どちらの形式で解く問題であるかも示されています。
更に、LECの見解で次回以降の本試験において出題されそうな論点には、「要チェック」の表記がされています。
学習記録をつけられる
問題ページの下部に、学習した日付と、その問題が自分が解けたか否か(○か×か)を書く欄があります。
法改正に対応している
これは当然といえば当然かもしれませんが、『合格ゾーン』は法改正に対応しています。最新の情報に基づいて問題文や解答肢が変更されているので、安心して解き進めることができます。
また、はるか昔(平成初期)の問題で、今の法律の実情にあっていないものはバッサリと削除されているので、無駄に問題を解く時間を費やすこともありません。
解説が丁寧
解説は、1肢毎に丁寧にされています。また、各肢をまとめて比較して覚えておくべき内容の問題には、図や表を用いて分かりやすく解説してくれています。
『合格ゾーン』を実際に使ってみた所感
『合格ゾーン』を選んだ理由
私は学習初期の頃は『オートマ』をメインの過去問題集として使っていたのですが、複数回の受験に失敗した後、『合格ゾーン』に切り替えました。
『オートマ』は、主にAランクの問題だけを集めた肢別問題集なので、基礎固めをするには素晴らしい問題集だと思います。私の周りの同期にも、『オートマ』だけを使って合格された方も沢山いらっしゃいます。
私が不合格になった理由を自分なりに分析した結果、過去問の演習量が足りていないことに気づきました。マラソンランナーは、42.195kmを走り切るために、普段の練習で100km走り込んだりすると聞きます。それと同じように、本試験で戦うためには、普段から圧倒的な回数の過去問を解く必要があると感じました。
そこで、過去問の収録数がダントツに多い『合格ゾーン』を解いて、本試験で戦える力を養うことにしました。
私の『合格ゾーン』の解き方
私が『合格ゾーン』を使っていた時は、一通りのインプットが済んでいたので、全科目の問題を解ける状態にいました。(全部正解できるという意味ではなくて、全範囲の学習が終わっているので、どの科目の問題でも解ける”はず”の状態だったという意味です。)
司法書士試験は試験科目が11科目と多く、試験範囲も広いので、なるべく短いスパンで全科目に触れる必要があると思っていました。そうでないと、一度やった科目の内容を忘れてしまうと思ったからです。
『合格ゾーン』は、科目ごとに分冊されて発売されています。なので、1冊10~20問解いたら、次の科目の冊を10~20問解き、それを解いたらまた次の冊へ、、、最後までいったら、また初めの冊に戻って10~20問解くようにしていました。こうすることで、1科目の中で触れられるテーマは少ないですが、全科目を1周する期間は短くなるので、何かの科目に偏ることなく、満遍なく全科目に触れることができました。
過去問の解き方や解く順番は人それぞれだと思いますが、私はこの方式で解いていったことで、「あの科目をやり残している」といったことがなくなったので、結果的に良かったと思っています。
『合格ゾーン』をおすすめしたい方(個人的見解)
『合格ゾーン』は、ある程度インプットの学習が済んでいる方や、受験経験のある中上級者の方で、問題演習を沢山こなしたい方におすすめしたいです。
初学者はインプットする時間に多く時間を割かないといけないので、『合格ゾーン』のようにボリュームのある過去問題集よりは、『オートマ』のようなAランクの問題に絞って掲載されている過去問題集を解くのが良いと思います。
また、『合格ゾーン』は、5肢択一式なので、初学者がまだ学習していない範囲の選択肢が混ざっているかもしれません。初学者はテーマ毎に肢レベルでまとまって掲載されている肢別問題集を使う方が、効率よく学習できると思います。
2022年版 司法書士 合格ゾーン 択一式過去問題集 1 民法[上] (司法書士合格ゾーンシリーズ)