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【おすすめ】司法書士 パーフェクト過去問題集 不動産登記法・商業登記法【記述式】

パーフェクト過去問記述式

『司法書士 パーフェクト過去問題集 (11) 記述式 不動産登記法』、

『司法書士 パーフェクト過去問題集 (12) 記述式 商業登記法』

(以下、『パーフェクト過去問記述式』)』を実際に使ってみた感想を書きます。

『パーフェクト過去問記述式』ってどんな問題集?

パーフェクト過去問記述式』は、その名の通り、司法書士試験の記述式の過去問を収録した問題集です。

不動産登記法編では平成10年度から最新年度まで、商業登記法編では、平成18年度から最新年度までの本試験の記述式の過去問が収録されています。

オートマシリーズ」と同じ早稲田経営出版から出版されています。

そもそも記述式問題の過去問は解く必要ってある?

おそらく択一式の過去問を解かずに、司法書士試験に合格される方は稀だと思います。

私の周りの同期の中には、合格年には過去問を解かずに、テキストや六法を読み込むだけで合格された方もいます。しかし、そういった方であっても、1年目や2年目は択一式の過去問を解いていました。

これに対して、記述式問題の過去問を試験前に解かずに合格した方は、相当数います。択一式の過去問は誰もが解くのは定石ですが、記述式の過去問を解かない方が多いのはなぜでしょうか。

記述式の過去問は解かなくても良いという考えについて

記述式の過去問を解かない理由で多かったのは、①記述式試験の問題は近年難化傾向が続いていて、10年以上前の問題(不動産登記法であれば別紙ショック(※)以前の問題)を解いても意味が無い、②近年に出題された論点はしばらくは出題されないから解く意味がない、といったものです。

※不動産登記法の記述式試験問題は、平成19年度までは問題文・登記記録・事実関係・答案作成上の注意といったような、主に文章のみの出題形式でした。これが平成20年度に、会社の「履歴事項一部証明書」や「債権譲渡契約書」といった文書が別紙形式で掲載され、別紙を参照しながら解答を出すという形式になりました。何の予兆もなく出題形式が変更され、この年の受験生は大変な戸惑いを覚えたと言われています。これが所謂「別紙ショック」です。

①の10年以上前の問題を解いても意味が無いというのは、私も同じ意見です。私は『パーフェクト過去問記述式』を、古い年度のものから解き始めました。年度を遡って解くことで、本試験が近い日に近年の過去問を解くようにしたかったからです。

しかし、あまりに古い過去問を解いても、あまり意味がないことを感じ、すぐに解くのをやめました。結局、過去問は、近年5年以内のものを1回だけ解きました。

②近年に出題された論点はしばらくは出題されないから解く意味がない、という意見には少し懐疑的です。確かに、近年に出題された論点で全く同じものは出題されないと思います。

しかし、不動産登記法であれば「名変」「抹消」「所有権移転」「担保権設定」など、大きなカテゴリで見れば同様の論点が頻繁に出題されています。また、商業登記法であれば、「役員変更」が出題されない年度は無いと言っても過言ではありません。

択一式の問題でも、問い方を変えて同じ論点が出題されます。記述式でも、それと同様に、問われ方が違えど、同じ論点が問われているので、過去問を解くことに意味がないとは言えないと思います。

私が記述式の過去問は解いた方が良いと思う理由

私は、記述式の過去問は解いた方が良いと思います。その理由は、一言で言うと「問題慣れ」をするためです。

司法書士試験の記述式の問題は、本試験に特有の問われ方がされます。記述式試験の過去問以外の問題は、本試験を想定したオリジナル問題です。もちろん『オートマ』等で記述式問題の演習をすることで、合格できるだけの実力は身に着きます。記述式の過去問を解かずとも、『オートマ』で習得した記述式問題を解くための考え方が身についていれば、初見で解答できるかもしれません。

しかし、記述式の過去問を解いて、普段の記述式問題の演習で習得した内容を本試験の形式に当てはめて解答することで、より習得した内容を実践的に使える力が強化されると思います。

記述式問題の過去問を解くのは、過去問から知識を習得するためではなく、本試験の出題形式に慣れたり、習得した内容を本試験でも使いこなすことができるかを試したりするために必要だと思います。

ただ、先にも書きましたが、記述式の過去問を解くのは、近年5年分くらいのもので十分だと思います。あまりに昔の問題は、近年の記述式問題と形式が剥離しており、問題慣れする目的には合致しないからです。

あと、午後の部の試験は、択一35問と記述式2問を3時間で解かなくてはならず、時間がタイトです。限られた時間の中で、記述式問題を解ききるには、解くスピードも大事です。時間を図って過去問を解くことで、本試験問題を解く際にの時間配分のシミュレーションをすることができます。

管理人
管理人
記述式の過去問を解くのは時間がかかるし、解答する分量が多いので、解いた後にはぐったりしますね。解くには気合がいりますが、1回は解いた方が良いと思います^^;

『パーフェクト過去問記述式』の特徴

管理人
管理人
パーフェクト過去問記述式』の特徴をいくつかあげてみます。

「不動産登記法」編

パーフェクト過去問記述式』の不動産登記法では、平成10年度から最新年度までの記述式の過去問が、近年に出題された問題から順番に収録されています。法改正によって、出題当時のままでは宜しくないものは、修正されて出題・解説されています。

解説は、まず「解答例」があり、その後に「申請すべき登記の一覧」「論点の一覧」「申請すべき登記ごとの詳細な解説」という順番で掲載されています。申請すべき登記ごとに解説がコンパクトにまとめられているので理解しやすく、また、解説を読みたい登記だけを確認しやすい作りになっています。

管理人
管理人
少し残念だと思うのは、目次に申請すべき登記が書かれている点です。

記述式の過去問を解く際には、問題文を読んで、何の登記をすべきかを検討して、申請内容の組み立てを考えることが重要だと思います。申請すべき登記が目次に書いていると、「今日は何年の問題をしようかなー」と目次を見た時に、申請すべき登記が問題を解く前に分かってしまいます^^;。

「商業登記法」編

パーフェクト過去問記述式』の商業登記法では、平成18年度から最新年度までの記述式の過去問が、不動産登記法編と同様に、近年に出題された問題から順番に収録されています。法改正によって、出題当時のままでは宜しくないものは、修正されて出題・解説されている点も不動産登記法編と同様です。

解説は、(Ⅰ)始めに出題論点の一覧が掲載されています。その後に、(Ⅱ)登記すべき事由ごとに解説があります。最後に、(Ⅲ)答案用紙にどう書くべきかの注があります。

管理人
管理人
商業登記法編の目次には、出題年度とページ数だけが書かれています。不動産登記法編のように登記事項が目次に書いていないので、目次を見ても申請すべき登記が分かってしまうことはありません。不動産登記法の目次も出題年度とページ数だけ書かれていたらいいのにな、と思います^^;。

私が『パーフェクト過去問記述式』を選んだ理由&解き方

私が『パーフェクト過去問記述式』を選んだ理由

私は、合格年に『パーフェクト過去問記述式』を使っていました。『パーフェクト過去問記述式』を選んだ理由は、収録年度が、他の記述式の過去問題集より多かったからです。あと、他に『オートマ』『合格ゾーン』『伊藤塾セレクション』を使っていたので、記述式過去問を解く時には、問題集のシリーズを変えて気分を変えたかったからですw。

管理人
管理人
パーフェクト過去問記述式』を購入した時には、収録されている問題を全部解くつもりでいました。でも結局、昔のものは解く必要がないと思って、直近5年分しかちゃんと解いていません^^;。収録年度が多いという理由で選んだのは、意味がなかったです。

正直なところ、記述式の過去問題集は、大手の予備校が出版/監修しているものであれば、何でも良いと思います。『合格ゾーン記述式過去問題集』は直近10年分の問題が収録されています。『パーフェクト過去問記述式』よりも安価です。

私の『パーフェクト過去問記述式』の解き方

私は、不動産登記法と商業登記法の直近5年分の記述式の過去問を1回だけ解きました。

私が記述式過去問を解く理由は、「問題慣れ」するためです。この問題慣れには、①本試験の問題形式に慣れることと、②限られた時間の中で解くことに慣れることの、大きく2点があります。

私は午後の部の本試験の時間配分を、択一式60分、不動産登記法の記述式60分、商業登記法の記述式60分で解くことを目安にしていました。なので、記述式の過去問を解く際にも、不動産登記法・商業登記法とも、60分を目安に解くようにしていました。

“目安”というのは、自分の中で、本試験で出題される内容によって、択一式・不動産登記法の記述式・商業登記法の記述式とも60分プラスマイナス10分は、調整時間としてバッファも持たせるようにしていたからです。過去問を解く際には60分を目安にしていましたが、最大で70分かかっても良いと思うようにしていました。

管理人
管理人
平成29年度の不動産登記法の問題は、60分で完答させるのは、なかなか難しいですね^^;

記述式過去問を解いた時期は直前期です。記述式の過去問を解く他にも、択一式の勉強もしないといけなかったので、記述式の過去問は、1日に1問だけ解くようにしていました。不動産登記法と商業登記法の問題を1日交代で1問づつ、直近5年分を10日間連続で解きました。

直前期に10日間連続で解くことで、本試験問題を解く”勘”みたいなものが養われて、そのまま良い感じに本試験に臨むことが出来たので、直前期に連続で記述式過去問を解いたことは良かったなと思います。

管理人
管理人
ただ、過去問を解く前は、「直前期に過去問を解いて、全然解けなかったら自信を失ってしまうかもしれない」という思いもありました。幸いにも、それまで『オートマ』で基礎を築けていたので、過去問もそれなりに解くことが出来たので良かったのですが…。記述式の過去問をいつの時期に解くのかを考えるのも大事かもしれませんね。

問題を解いた後、解答例のページで答え合わせをしました。明確に解法が分かった上で解答して正解しているところは、解説は読みませんでした。直前期だったのもあって、そのようなところは、もう頭に入っていると信じて、時間短縮のために解説は読みませんでした。

なんとなく解いて正解したところや、間違ったところは解説を読むようにしていました。しかし、復習はしませんでした。記述式の過去問を解くのは、あくまで「問題慣れ」することであって、そこから知識をインプットする目的で解いていなかったからです。

パーフェクト過去問記述式』で時間を図って直近5年分の過去問を解くことで、「問題慣れ」するという目的は達成できたように思います。

管理人
管理人
今回は、『パーフェクト過去問記述式』をご紹介しました。

記述式の過去問を解くか否かは人それぞれだと思います。私は直近のものだけでも記述式の過去問は解いた方が良いと思っていますが、解かずとも合格されている方はいます。ご自身の考えや勉強の進捗状況等も踏まえて解くかどうかを決めて下さいね。


司法書士 パーフェクト過去問題集 (11) 記述式 不動産登記法 2021年度 (司法書士スタンダードシステム)