『うかる! 司法書士 必出3300選(以下、『3300選』)』を実際に使ってみた感想を書きます。
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『3300選』ってどんな問題集?
『3300選』は、伊藤塾から発売されている1問1答形式のドリルと、まとめ解説がセットになった問題集です。
過去問を肢レベルで分解して掲載した肢別問題集とは違い、伊藤塾が合格に必要なAランクの知識だけを1問1答形式でオリジナル問題として作成し、まとめています。
『3300選』は、見開き1ページで1セットになっています。左ページにドリル、右ページにドリルで出題している内容の範囲をまとめた解説が掲載されています。
『3300選』の特徴
必要最小限の基礎知識だけ収録
『3300選』は、司法書士試験の合格に必要な基礎知識だけを集めて収録しています。1冊のページ数もさほど多くなく、「これならできる!」という分量に絞り込まれています。
例えば、根抵当権は「民法」でも「不動産登記法」でも学びますが、重複する内容が多いです。そのため、根抵当権は「民法」の範囲では掲載せずに、「不動産登記法」の範囲でまとめて掲載されています。重複する内容はバッサリとカットしているので、効率よく学習することができます。
本当に基礎的な内容のものだけが収録されているので、学習初期の頃から活用しやすく、また、直前期に基礎知識を総ざらいする際に活用することもできます。
1問1答形式のドリル
『3300選』の問題形式は、1問1答形式のドリルになっています。
過去問の肢別問題集では『オートマ』が有名ですが、『3300選』は過去問を集めた問題集ではありません。
『3300選』では基礎知識を習得することに重きを置いているので、過去問のように”ひっかけ”形式の問題の出題はありません。持っている知識を素直に活用するだけで解ける問題で構成されています。
1問1答なので、その知識を知っているか否か、本当に理解しているか否かをひとつづつ確認しながら進めていくことができます。
解説で横断的にポイント整理
『3300選』の最大の特徴は、解説ページにあります。
多くの1問1答の問題集では、1問づつ、その問題に対する答えと解説がされていると思います。
『3300選』では、1問づつ解説はされていません。左ページのドリルの問題を解くのに必要な知識を、横断的に整理して、まとめて解説しています。
司法書士試験の学習をする際には、その意義や要件・効果、原則と例外、比較して覚えるべきことなど、1つのことについて沢山覚える必要があります。
『3300選』の解説ページでは、それらを図や表に簡潔にまとめて整理してくれています。
各編の冒頭に出題実績と制度概要を掲載
『3300選』の各編の冒頭には、その編で学ぶ範囲の出題実績と制度概要が掲載されています。始めにこれから学ぶ分野の重要度を知ることで、メリハリをつけた勉強をすることができます。
正誤を記録する欄がある
『3300選』のドリルの問題文の頭には、正誤を記録できる欄があります。正誤を記録することで、自分がどの問題を間違えたか(あるいは正解したか)が一目瞭然となります。復習の際には間違えた問題だけを解くなど、効率よく復習をすることができます。
民法改定版は2019年に発売
2020年4月1日に施行された債権法および相続法の大改正に対応した『民法の3300選(改定版)』が2019年12月に発売されました。
初版よりも理解を促すコメントや学習のイメージを助ける図表が増えています。また、多くの受験生が疑問に思うことをまとめた「よくある質問Q&A」コーナーも加わりました。
(今購入しても付属しているのかは定かではありませんが、)私が『3300選』を購入した当時には、1冊に1枚しおりがついていました。
そのしおりには、伊藤塾講師からの応援メッセージが書かれています。『3300選』を使う時には、毎回そのしおりのメッセージを読むことになります。自然と「今日もがんばろう」と思うことができました。
『3300選』は全4冊あるので、しおりも全部で4種類あります。4種類とも素敵な言葉が書かれているのですが、私は蛭町講師の「夢は、実現するためにある。」という言葉が一番好きでした。
私が『3300選』を選んだ理由&解き方
『3300選』を選んだ理由
私は学習初期の頃に『3300選』を使用していました。
使用していた理由は『オートマ』を使った理由と同じです。Aランクの基礎知識を固めることが一番大事だと思っていたので、基礎問題だけが収録されている『3300選』を使うことにしました。
また、解説ページに要点が整理されて分かりやすく図や表になってまとまっているので、知識を整理したり、比較して覚えたりするのに最適だと思って活用していました。
私の『3300選』の解き方
予備校の講義を受ける⇒『3300選』を解いて解説ページで知識を整理する⇒『オートマ』で過去問を解く、というようにしていました。
講義を受けた後すぐに『オートマ』を解いても良かったのですが、初学の頃は、講義で習った内容が難しくて、すぐに理解することができませんでした。『オートマ』はAランクの過去問だけが収録されているとはいえ、いきなり過去問を解いても解けないだろうと思っていました。
私の中では、『3300選』は、講義を受けて過去問を解くまでの”橋渡し”的な位置づけでした。「1問1答のドリルを解いて、講義で習った知識の理解度・定着度を把握し、解説ページでより理解を深めてから過去問に挑む」といった感じです。
こうすることで、過去問が解けるようになるだろうと思っていたのですが…。『オートマ』のページでも書いたのですが、始めは過去問が全然解けませんでした苦笑。過去問でインプットした知識をフル活用してアウトプットするというのは、(私だけかもしれませんが、)ただ知識を得るのとはまた別の能力がいるようでした汗。
でもその中でも、「あぁこれは『3300選』で解いたな」とか「『3300選』で解説されてたやつだな」とか思うところはあったので、『3300選』を使ったことは無駄ではなかったと思います。もし『3300選』を使っていなければ、もっとひどいことになっていたと思います苦笑。
『3300選』をおすすめしたい方(個人的見解)
『3300選』は、内容的には特に初学者におすすめします。
初学者におすすめな理由
本当に基礎の問題だけが収録されているので、基礎知識を確認するのに最適です。
先の長い受験勉強では、ひとつひとつ小さい目標を達成しながら学習を進めていくのが良いと思います。『3300選』は分量的にも問題のレベル的にも「まずはこれをやった」という達成感を得やすいと思います。
また、予備校の講義や独学テキストで学習した範囲の中で、どうしても理解して記憶できないものがあると思います。断片化した知識のままでは理解できなかったものでも、横断して整理すると理解が深まることもあります。そういったものは、『3300選』の解説ページのまとめ表で覚えることが出来るかもしれません。
学習経験者におすすめな使い方
学習経験者は、『3300選』のドリルのページの問題は、易しくて物足りなさを感じるかもしれません。
もし普段の学習で『3300選』を使うのであれば、(学習経験者であっても1からやり直したい方は別ですが、)ドリルに力を入れて解くことは、あまりしなくても良いと思います。
ドリルはさっと解いて、解説ページを活用することをおすすめします。基礎的な知識があると、比較整理表や類似論点などは、本当に要点だけをシンプルにまとめてくれている方が頭に入ってきやすいと思います。
また、基礎の内容だけおをコンパクトにまとめてくれているので、直前期に基礎知識を総まとめしたい時にも活用できます。
『3300選』は、累計4万部を超えた『3000選』というシリーズがリニューアルされて発売されました。ドリルの問題は易しく、解説ページが分かりやすいので、基礎知識の整理をするのにおすすめです。